アントレプレナーシップとは

アントレプレナーシップは、すべての人に備わっている人生を切り開いていくために必要なマインドです。起業家が持つ特有の能力/起業家精神と言われることがありますが、そうではないと私たちは考えています。
また、起業という言葉には独立や創業のイメージがありますが、「新しい事を為す」という意味で捉える必要があります。企業内の事業開発やプロジェクトを推進するリーダー、また組織のリーダーが何かを成し遂げていく人もまた、自ら道を切り開く意味でアントレプレナーシップが必要になります。

私たちはアントレプレナーシップを「高い志と倫理感をもち、社会的な価値を生み出すことに、自ら挑戦するマインド」と定義しています。つまり、私たちの社会や未来をより良くしていくために、価値を生み出すことに、自ら行動をしていくことですから、すべての人の人生や仕事の面でも、このアントレプレナーシップというマインドは大切なのです。

しかし日本においては、起業がキャリアの選択肢にあがることが諸外国に比べて極めて低い状況です。学校教育やキャリア支援においても、アントレプレナーシップにある要素がほとんど扱われていないためでもあります。
倫理感といえばルール、価値といけばお金、同調圧力でリーダーを誰もやりたがらない、そんな受け身の姿勢では、より良い社会や経済を生み出すことなどできません。
この状況に対して国も起業家教育の必要性について検討はされていますが、まだ手探り感は否めません。

私たちは、このアントレプレナーシップをより具体的に実装することは、組織においてはリーダーの育成に、個人においてはキャリア形成において、重要な役割になると考えています。社会におけるリーダーも、ビジネスにおけるイノベーションの創出も、すべてにおいて原動力となります。
アントレプレナーシップこそが、これからの社会や経済における重要なキーワードとなるとともに、私たちの社会の行く末に大きな影響を及ぼすと考えています。

アントレプレナーシップの開発とは

アントレプレナーシップを開発することは、国内ではまだ開発途上にあり、また海外のプログラムをそのまま日本に適応することができません。子ども向けの教育などで理論提唱されているものも、あくまでも理論や推論、一時的な効果であって形式知化されたものとはいえません。

一般的なアントレプレナーシップのプログラムは、経営理論を元にした手法を学ぶものが多くあります。しかし、手法方法を学ぶだけでは、起業をする動機を補完するに過ぎません。また、職業経験や体験などを元にしたプログラムも体験にはなるものの、同様にアントレプレナーシップが身につくものではありません。

私たちは、アントレプレナーシップにおいて最も大切なのは、自己の価値観の整理であり、社会や顧客の価値観を理解することが始まりであると私たちは考えます。動機を生み出すメカニズムこそが、アントレプレナーシップそのものであり、自己の達成動機を支え続ける原動力となるからです。

そこで私たちは、社会の価値観や感性との関わりを研究し、SVEP (Shared-Values Entrepreneurship Program:共感アントレプレナーシップ・プログラム)を開発しました。
アントレプレナーシップの動機となる3つの価値観(起業家自身、社会、顧客(受益者)との共感によって生み出される、社会価値を創造していくプログラムです。

当社代表は、自身の30社におよび起業と経営参画、そして数百人の起業家支援を実施し、自身の実践経験と経営学とにおいてアントレプレナーシップの研究を行っています。
ですから、一般的な経営論など理論を越えた実践での実証を反映し、また固有の属人的な実践経験で語られた偏った体験でもありません。
これは、学生やキャリア開発はもちろん、社内の人材開発、あらゆる起業家の支援や事業開発にも応用できるプログラムとなっています。

アントレプレナーシップを、すべての人に

私たちは、「アントレプレナーシップで、自分らしい人生と社会を描く」をテーマに、アントレプレナーシップの教育、実践、支援環境づくりを行っています。

社会が求める価値を創造し、未来をより良いものにしていくためには、全ての人がそこに意識を持ち、自ら取り組んでいくことが不可欠です。

このアントレプレナーシップがあれば、たとえ社会課題が生まれてもそれを解決する人が増え、むしろ社会課題を生み出さない社会をつくることさえできるでしょう。

様々な企業や学校、支援機関やプログラム、そしてこのプログラムを広めて行く人材育成・開発担当のみなさん、支援者のみなさんとともに、人と社会の共感をビジネスやキャリアを通じた社会価値として未来に繋げていきたいと考えています。